京式部だより

【取材】歴史と進化がもたらす絶品すっぽん料理

「歴史と進化がもたらす絶品すっぽん料理」

取材日:8月18日

京都北野の落ち着いた街並みに佇む「大市」にてインタビューを行わせていただきました。

「創業340年 歴史を守り進化を続ける老舗」

 大市は、江戸時代創業の340年間続く老舗すっぽん料理屋です。
京都にお住いの方や観光客だけではなく、各界を代表される方など幅広い方も訪れます。
お店は創業当時のままの建物で、店内は当時の大市が描かれている絵などが飾られており、歴史が感じられます。

340年もの歴史がある大市ですが、日々進化を続けています。
提供するのはすっぽんの〇鍋(まるなべ)のコースのみで長年営業してきました。
しかし340年間同じ味で提供しているのではなく、変化する時代や人々の味覚にあわせた良いものを提供するために日々研究されています。

「こだわりがつまっている大市の○鍋」

大市では、○鍋のコースが提供されます。

はじめに、すっぽんの肉のしぐれ煮をいただきました。
使われている調味料はしょうがと醤油のみでシンプルな味付けにも関わらず、すっぽんそのものの食感や旨みが存分に味わえる贅沢な一品です。

続いて提供されるのは、本料理○鍋です。

〇鍋は、一口ほどに切られた骨付きのすっぽんのみが入ったお鍋です。
代々受け継がれてきたこだわりの土鍋で炊かれており土鍋ごと席まで運んでいただけます。
こちらで使われる素材は、すっぽん・塩酒・醤油のみですが、
すっぽんから出るうまみにこだわった調味料がマッチすることで大市でしか味わえない特別な鍋に仕上がっています。

一口目に食べたスープの味と少し時間がたってから飲むスープではまた味が違いシンプルな素材でも様々な美味しさを感じることができます。

続いて、もう一度同じ本料理○鍋が提供されます。

お客様に一番おいしい状態で食べていただくために、2回に分けて鍋が出されます。

大市で使用されるすっぽんは、浜名湖のすっぽん養殖の老舗「服部中村養鼈場」の大市専用養龞場で育ったすっぽんを使用しています。
調味料に使用されている醤油やオリジナルの塩酒など調味料にもこだわっており、
代々受け継がれた伝統の味を元に日々美味しさを求めて改良が重ねられています。

土鍋にもこだわっており、信楽焼の分厚い専用の土鍋が使用されています。
この土鍋を使用することで、すっぽんを一番おいしい状態でいただくことができます。

人の味覚も時の流れとともに変化しています。常に来てくださるお客様に
「おいしい」と言って帰っていただくことを一番に考えられています。

 

『京式部との出会い』

最後に鍋のしめでいただいたのは、雑炊です。大市では雑炊で『京式部』が使われています。
スープと卵のみのシンプルな雑炊です。
卵は、すっぽんのうまみを邪魔しないように、色は濃いが味の主張が強くないこだわった卵を使用します。

この雑炊には、お餅が入っています。お米とお餅を一緒に食べるというのは新鮮でしたが、
お餅と『京式部』の相性が非常によく、お漬物ともあうので思わずおかわりしてしまうほどの美味しさでした。

すっぽんの出汁と醤油のみの味付けではありますが、
これまでにいただいた鍋とは全く違うすっぽんの旨みがつまった非常に特別感のある雑炊でした。

 

雑炊に使われている『京式部』は、米穀店が選抜した5銘柄で食べ比べを行い、その中から選ばれました。
粒が大きく、雑炊として煮込んでも形が崩れず雑炊に適しているということで、決められました。
大市では、長年の歴史を守っているだけではなく、さらに「おいしい」を求めて進化し続けています。
調味料一つでも同じものを使い続けるのではなく、お客様が本当においしいと思ってくださるように、時代に合わせて進化し続けています。

皆様も、歴史と進化がもたらす贅沢なすっぽん料理と『京式部』をぜひ召し上がってください。

 

 

【店舗情報】

大市株式会社
住所:京都市上京区下長者町通千本西入ル6番町
電話:075-461-1775
営業時間:昼の部 12:00~ 夜の部①17:00~ 夜の部②19:00~
定休日:毎週火曜日(変更有)個室あり(全席禁煙)
駐車場:6台
予約:要予約